乳幼児健診・予防接種
乳幼児健診・予防接種
乳幼児の健診は、乳幼児の発育と栄養状態の確認、先天的な病気の早期発見、予防接種の時期や種類の確認など、必要な項目を成長の節目で定期的にチェックします。定期健診と任意健診に分けられており、定期健診は公費(無料)(草津市の場合)で受けることができますが、任意健診はご希望に応じて有料で行われます(自治体によって無料券が配布されることもあります)。赤ちゃんの成長・発達には個人差があります。保護者の方に注意しなければならないこと、心配する必要のないことなどをお伝えし、育児に関する不安や疑問を解決していただき、育児を支援していくことも健診の大きな目的です。日頃から気になっている育児上の悩みや心配事などがありましたら、ぜひこの機会に気軽にご相談ください。 乳児後期健診は、草津市の方は当院で受けていただける個別の定期健診(無料)で、対象は4か月検診で、期間は生後4か月から生後6か月の前日までとなっています。なお、草津市では10か月児健診(集団検診)、1歳6か月児健診、3歳6か月児健診の定期健診は「子育て支援センター」にてお受けください。草津市以外の方は各自治体の担当窓口までおたずねください。対象となるお子さんには自治体からご案内があります。
受診期間 | |
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4か月健診(個別委託医療機関) | 4~6か月未満 |
10か月児健診(集団検診) | 10か月~1歳未満 |
1歳6か月児健診(集団検診) | 1歳6か月~2歳未満 |
3歳6か月児健診(集団検診) | 3歳6か月~4歳未満 |
赤ちゃんがいろいろな感染症にかかることは、成長のために必要なプロセスといえますが、症状が激しくて、赤ちゃんの小さな体に大きな負担をかけたり、重度の後遺症が残ったりする感染症にはかかってほしくはないものです。そこで、赤ちゃんを感染症から守るための有効な手段として、ワクチン接種がすすめられています。感染症にかかると体内で抗体が作られ、その後、同じ病原体が外部から侵入すると、攻撃する「免疫」というしくみができます。この仕組みを利用したのがワクチンです。病原性を弱めたウイルスや細菌などを接種することで、病気を発症することなく病原微生物に感染したときと同じ状態を体内につくることができます。これによって免疫ができ、次に本物のウイルスや細菌に遭遇したときにこれらの侵入や増殖を防げるようになります。生後2か月から2歳の誕生日を迎えるまでの間に多くのワクチン接種があります。タイミングを逃さず接種して、赤ちゃんをしっかり守ってあげましょう。
ワクチンは感染原因となるウイルスや細菌をもとに作られており、それらの状態によって、生ワクチン、不活化ワクチン、トキソイドの3種類に分けられます。
生ワクチンは、病原体となるウイルスや細菌の毒性を弱め、病原性を消失させたものを原材料として使用します。毒性を弱められたウイルスや細菌が体内で増殖することによって免疫を高めていくため、接種回数が少なく、自然感染に近い状態で免疫がつけられます。
不活化ワクチンは、病原体となるウイルスや細菌の感染する能力を消失(不活化)させたり、毒素を無毒化(殺菌)したりしたものを原材料として使用します。体内で病原体が増えることはないため、自然感染や生ワクチンに比べて生み出される免疫力は弱いですが、発熱などの副反応が少なく済みます。1回の接種では十分ではないため、何回かの追加接種が必要となります。
トキソイドは、細菌が産生する毒素だけを取り出して無毒化したものを原材料として使用します。細菌に感染した際に、毒素による発病を防ぐことができます。不活化ワクチンと同様に、追加接種をして免疫を高めます。
2種類以上のワクチンを混合したものです。生後2か月から4種混合ワクチン(DPT-IPV)、5種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)、1歳から麻しん風しん混合ワクチン(MR)が定期接種で行われています。アルファベットの表記は英語の病名の頭文字をとったものです。
5種混合ワクチン DPT-IPV-Hib | ジフテリア(D)、百日せき(P)、破傷風(T)、不活化ポリオ(IPV)、ヒブ=インフルエンザ菌b型(Hib) |
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4種混合ワクチン DPT-IPV | ジフテリア(D)、百日せき(P)、破傷風(T)、不活化ポリオ(IPV) |
3種混合ワクチン DPT | ジフテリア(D)、百日せき(P)、破傷風(T) |
2種混合ワクチン DT | ジフテリア(D)、破傷風(T) |
混合ワクチン(はしか・風しん) MR | はしか(麻しん)(M)と風しん(R) |
ワクチンの接種方法には、注射による皮下接種、口から飲ませる経口接種、スタンプ方式(管針法)といわれる経皮接種があります。ワクチンの種類によって、接種方法が決まっていますが、日本ではほとんどのワクチンにおいて、皮下注射による接種が原則となっています。飲むタイプの経口接種はロタウイルスワクチンのみで、上腕にスタンプを押しつけて接種する経皮接種もBCGのみで実施されています。
予防接種には市区町村が主体となって実施する「定期接種」と、接種するかどうかを受ける側(赤ちゃんなら保護者)に委ねられている「任意接種」があります。定期接種は予防接種法に基づいて行われ、対象年齢のうちに受ければ原則公費(一部自己負担が発生する地域もあります)で受けられます。経済的負担の少ないワクチンです。一方、任意接種のワクチンは、健康保険が適用されませんので、接種費用は基本的に自己負担となります(自治体によっては接種費用の助成が受けられるところもありますので、補助内容の詳細についてはお住まいの市区町村などにご確認ください)。これらの予防接種の重要性には差はありませんので「定期接種」と「任意接種」を区別せずに、必要なワクチンはすべて受ける方が、それだけお子さんを感染症から守れる確率が高くなります。対象となる病気にかかるリスクなどについて一緒に考え、お子さんにとってより適切な予防接種をしていきましょう。
標準的なワクチン接種の開始時期の目安は以下となります。
開始期間 | ワクチン名 |
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生後2か月以降 | Hib(ヒブ)ワクチン、小児用肺炎球菌(15価)ワクチン、B型肝炎ワクチン、ロタウイルスワクチン、4種混合ワクチン(DPT-IPV)、5種混合ワクチン |
生後5か月以降 | BCG |
1歳以降 | 麻しん風しん混合ワクチン(MR)、水痘(みずぼうそう)ワクチン、おたふくかぜワクチン(任意) |
3歳以降 | 日本脳炎ワクチン |
5歳以降 | 3種混合ワクチン(DPT) |
小学校高学年以降のワクチン | 2種混合ワクチン(DT)、HPV( |
生後6か月以降、毎秋のワクチン接種 | インフルエンザワクチン |
安心してワクチン接種をするために、接種前に以下の内容をチェックしてみましょう。該当する場合や判断に迷うことがあれば接種前にご相談ください。