日帰り手術|ささきクリニック|草津駅徒歩5分の小児外科・小児科・外科

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日帰り手術

日帰り手術|ささきクリニック|草津駅徒歩5分の小児外科・小児科・外科

日帰り(または1泊)入院手術について

2024年1月より本院では市立大津市民病院の開放型病棟を利用して、病院の麻酔科専門医の先生方に麻酔をかけていただき私が病院で手術を行うことにしています。術前検査と手術を病院で行いますが、術後のフォローは当院で行います。手術をご希望の場合はまずは当院を受診してください。
手術対象の疾患に関しては、 鼠径ヘルニア、陰嚢水腫、臍ヘルニア、包茎、停留精巣、舌小帯短縮症、口唇小帯肥厚症、副耳、耳瘻孔、皮膚皮下腫瘤などの手術を日帰りまたは1泊入院で行っています。 手術は毎週水曜日に行っており、術前検査(胸部レントゲン、心電図、血液検査)を原則手術1週間前の水曜日の午前9時から行います。 血液検査の結果が出るまで約1時間待機していただきます。術前検査の結果問題がある場合は小児科や麻酔科にコンサルトする事もあります。問題がなければ、入院の手続きを行い、その後麻酔科医の診察、入院していただく病棟のオリエンテーションを受けて頂きます。Covid-19によるクラスター感染を防ぐため、最後に鼻腔・咽頭ぬぐいによりCovid-19PCR検査を受けてお帰り頂きます。来院して頂いてからお帰りになるまで平均3時間30分程度時間を要します。お子様の気が紛れるものや、昼を過ぎる可能性がありますので飲料や軽食をご用意して頂けると助かります。手術当日は、検査日にお伝えした時間に病院のご来院いただきます。病院の規則で入院の際は付きそいの方は1人のみとなります。予めご了承ください。

まずCovid-19PCR検査を手術ご来院直後に行います。2回の検査結果を比較して現在感染状況にあると判断した場合は、手術を延期します。問題がなければ入院、手術の準備にかかります。手術室入室時間になりましたら、手術室にお越し頂き手術が開始となります。小さな子供さんは非常に元気ですので、全身麻酔で上記の手術を行っても、手術後2,3時間程度経過すれば全く元の元気な状態に戻り、歩いたり走ったりすることもできます。また、大人と違って、年齢が低い程、痛みの程度も弱い場合が多いです。基礎疾患がない場合は入院手術と比べても全く心配は要りません。基礎疾患がある場合は、疾患の内容に応じて麻酔科医とも検討し1泊観察入院していただくこともあります。また、ご家族のご希望で1泊入院していただくことも可能です。

小児鼠径ヘルニアについて

ヘルニアとは臓器が本来位置する部位から逸脱した状態をいい、お腹の中にある臓器(小腸、大腸、大網という膜、女児であれば卵巣、卵管)が飛び出してきて、鼠径部(股の少し上)が腫れてくる病気を鼠径ヘルニア(脱腸)といいます。小児外科が扱う疾患で最も頻度が高い疾患です。発生率は1~5%とされています。小児の鼠径ヘルニアのほとんどは外鼠径ヘルニアで、腹膜鞘状突起が鼠径部に残っていることで発症します。腹膜鞘状突起とは、胎生期後半に精巣が腎臓の下あたりから鼠径部に下降して来る時に、腹膜が鼠径部に伸びてできたものです。精巣が陰嚢内に下降した後は,多くの場合、腹膜鞘状突起は自然に閉鎖してしまいますが、何らかの要因によって開存したままの腹膜鞘状突起に、お腹の中の臓器が入り込むことで、鼠径ヘルニアが成立します。右側(51%)にも左(36%)にも出ることがあり、両側(13%)に認めることもあります。片側の鼠径ヘルニアの手術後,反対側に鼠径ヘルニアが出てくる確率は10%程度といわれています。女児でも、子宮から大陰唇に続く円靱帯に沿い、壁側腹膜が内鼠径輪から大陰唇に向かって伸展します。これをNuck管と言いますが、男児の腹膜鞘状突起に相当し、7ヶ月ごろまでには自然閉鎖しますが、閉鎖や退縮・消失が不完全であれば男児と同様に鼠径ヘルニアや水瘤(Nuck管水瘤)を生じます。

 

 

手術の必要性

ヘルニアのとおり道には狭い場所があり、飛び出した臓器がこの狭い場所で締め付けられ、飛び出した組織の血流が悪くなることがあり、これをヘルニア嵌頓といいます。一度ヘルニア嵌頓を起こすと脱出した臓器はむくみ、いつもと違って硬い塊が触れて、お腹の中に戻りにくくなります。時間が経過すれば皮膚発赤が出現し局所の疼痛を伴うようになり、嘔吐、腹痛、腹部膨満など腸閉塞症状へと進行します。患児は、最初は痛みのために、泣いたり、不機嫌になったり、そのうち顔色も悪くなりぐったりとします。いつもと違う様子のときは必ず鼠径部の様子を観察するようにしてください。
鼠径ヘルニアについては、前述のように嵌頓の危険性があるため、年齢には関係なく、手術による治療が必要です。

手術方法

Potts法で行います。全身麻酔をかけた後に、恥骨結節よりやや外頭側で皮膚皺に沿った1.5cmの皮膚切開を行い、開存した腹膜鞘状突起;ヘルニア嚢を牽引して根部で穿刺二重結紮し切除します。

合併症について

出血

多量に出血することはありませんが、ヘルニア嚢を剥離する程度により陰嚢内や鼡径部の皮下に血腫ができることがあります。ほとんどの場合圧迫することで止血でき、血腫は1週間程度で自然に吸収されます。原則輸血の必要はありませんが、血管奇形等により不測の事態が生じた場合には輸血することもあります。

腫脹

手術後、鼠径部から陰嚢にかけて腫れることがあります。これは、手術の影響によるもので、通常、数日から2週間程度で回復します。

創感染症(1%以下)

稀に手術創に細菌が感染することがあります。創の洗浄などの処置で改善しますが、創治癒が遅れます。またごく稀に再縫合を要することもあります。

精巣の血管や精管などの損傷(1%以下)

精巣の血管や精管などを損傷することがあり、万が一損傷した場合は適宜修復します。

再発

稀ではあります(1%未満)が、再発した場合には再度根治術を行います。

対側発症

片側鼠径ヘルニア根治術を行った後、反対側の鼠径ヘルニアを認める場合があります。4.4%~7.3%程度と報告されています。

小児陰嚢水腫・Nuck管水腫

鼠径ヘルニアと同様に腹膜鞘状突起が鼠径部に残っていることで発症します。腹膜鞘状突起とは、胎生期後半に精巣が腎臓の下あたりから鼠径部に下降して来る時に、腹膜が鼠径部に伸びてできたものです。精巣が陰嚢内に下降した後は,多くの場合、腹膜鞘状突起は自然に閉鎖してしまいますが、何らかの要因によって開存したままの腹膜鞘状突起に、お腹の中の臓器が入り込むことで鼠径ヘルニアになりますが、水が貯まると水腫となります。陰嚢に水がたまることを陰嚢水腫、鼠径部に水がたまることを精索水腫、女児の鼠径部に水がたまることをNuck管水腫といいます。

手術の必要性

乳児(1歳未満)の場合は自然に治癒することが多いといわれています。以前は針を刺して水を抜く場合もありましたが、子どもに恐怖を抱かせるうえにすぐに再発することが多いので最近はあまり行いません。
1歳を過ぎると自然治癒がしにくくなります。鼠径へルニアを合併している場合や痛みが強い場合、陰嚢の大きさに変化が見られる場合、本人が腫れを気にするようなら手術が望ましいです。

手術方法

鼠径ヘルニア根治術と同様Potts法で行います。全身麻酔をかけた後に、恥骨結節よりやや外頭側で皮膚皺に沿った1.5cmの皮膚切開を行い、開存した腹膜鞘状突起;水腫を牽引して根部で穿刺二重結紮し切除します。

合併症について

出血

多量に出血することはありませんが、ヘルニア嚢を剥離する程度により陰嚢内や鼡径部の皮下に血腫ができることがあります。ほとんどの場合圧迫することで止血でき、血腫は1週間程度で自然に吸収されます。原則輸血の必要はありませんが、血管奇形等により不測の事態が生じた場合には輸血することもあります。

腫脹

手術後、鼠径部から陰嚢にかけて腫れることがあります。これは、手術の影響によるもので、通常、数日から2週間程度で回復します。

創感染症(1%以下)

稀に手術創に細菌が感染することがあります。創の洗浄などの処置で改善しますが、創治癒が遅れます。またごく稀に再縫合を要することもあります。

精巣の血管や精管などの損傷(1%以下)

精巣の血管や精管などを損傷することがあり、万が一損傷した場合は適宜修復します。 周術期のデータを病院で管理、保管させていただき、研究、教育に、匿名化して使用させていただきます。

停留精巣

精巣には精子をつくるはたらき(造精機能)と男性ホルモンをつくるはたらきがあります。停留精巣は出生時に発見されることが多く、小児泌尿器疾患の中で最も頻度の高い疾患です。精巣は胎児が母体の子宮の中にいる段階では腎臓の近くに位置しており、成長とともに陰嚢内に下降します。精巣の下降が途中で止まってしまい、精巣が陰嚢内まで降りてこない状態を停留精巣といいます。また、精巣の下降はほぼ正常でも陰嚢の固定が弱く、上方に挙上しやすくなっている状態を移動性精巣といいます。出生時に発見された停留精巣の多くは6ヶ月までに自然に下降する可能性がありますが、1歳を超えるとその可能性は極めて低くなります。したがって、6ヶ月になっても陰嚢内に降りてこない停留精巣は体調や成長をみつつ1歳前後には手術を行う事が望ましいとされます。移動性精巣も自然治癒する可能性がある一方、年齢を重ねても固定が緩い場合は手術が望ましいと思われます。

手術の必要性

通常精巣は、陰嚢内にあることで体温より低い状態(約0.5℃低い)に保たれており、正常な精巣発育・精子の形成には、この低い温度が必要とされています。高い温度環境にある停留精巣では精子を作る細胞が少しずつ機能を失い数も減少していきます。この変化は温度が高ければ常に進行していくので、手術で精巣を陰嚢内に固定する必要があります。また、精巣の固定が弱いもしくは異所性に固定されている場合、精巣が捻転する可能性があり、捻転した場合は、一般的に6時間以内に捻転を解除しなければ精巣が壊死に陥り、精巣摘出を要することとなります。
停留精巣は通常の精巣と比較して4~7倍腫瘍が発生しやすいといわれています。停留精巣の手術をすることによって精巣腫瘍の発症率が低下することは証明されていませんが、精巣が陰嚢内にあることで、発症した場合の早期発見が容易になります(精巣が硬くなったり腫大してきたりします)。 精巣の萎縮が著しい場合や、腹腔内にある場合などは、精巣を摘除する可能性もあります。精巣の萎縮が激しい場合は正常な機能がほとんど期待できず、発癌の可能性も高いためです。

精巣固定術とは

全身麻酔をかけた後に鼠径部を2cm切開し、精巣および精索(精巣への血管や神経、リンパ管、精管がまとまった束状の組織)を周囲組織からはがして精巣が陰嚢内に収まるようにします。精巣を陰嚢内に収納し、陰嚢を1cm程度切開して陰嚢の底と精巣を縫合固定します。手術時間は片側につき50分程度です。

合併症について

出血

多量に出血することはありませんが、陰嚢内や鼡径部の皮下に血腫ができることがあります。ほとんどの場合圧迫することで止血でき、血腫は1週間程度で自然に吸収されます。原則輸血の必要はありませんが、血管奇形等により不測の事態が生じた場合には輸血することもあります。

腫脹

手術後、鼠径部から陰嚢にかけて腫れることがあります。これは、手術の影響によるもので、通常、数日から2週間程度で回復します。

創感染症(1%以下)

稀に手術創に細菌が感染することがあります。創の洗浄などの処置で改善しますが、創治癒が遅れます。またごく稀に再縫合を要することもあります。

精巣の血管や精管などの損傷(1%以下)

精巣の血管や精管などを損傷することがあり、万が一損傷した場合は適宜修復しますが、修復できない場合は精巣摘除を要することもあります。

再挙上

精索の血管が短く、固定後の緊張が強い場合は、精巣が再挙上することがあり、程度によっては再手術が必要です。

精巣萎縮

元々発育の悪い精巣や、見かけ上正常に思われた精巣で実際は機能低下を起こしだしていた精巣に手術を行った場合、術後精巣が萎縮することや、時には消失することも稀にはあります。但し、その場合対側の精巣が代償性に肥大し妊孕性は保たれると言われています。

包茎

おちんちんの先を包む皮膚(包皮)の口が狭いために、おちんちんの先(亀頭)を出せないものを真性包茎といい、包皮をめくって先を出せるものは仮性包茎といいます。一般的に包茎といえば真性包茎をいいます。しかし、小児の包茎は病気ではなく、生理的な状態です。
真性包茎には生まれつきのもの(先天性)と生まれてからおこるもの(後天性)があります。真性包茎は年齢が上がるにしたがって少なくなり、新生児ではほぼ100%、1歳までの乳児では約80%、1歳から5歳の幼児では約60%、小学生では約30%でみられ、思春期以降ではさらに少なくなります。後天性包茎は、包皮が何回もただれたあとや、環状切開術のあとに皮膚が狭くなってできることがあります。

症状

1.亀頭包皮炎

包皮や全体に赤味や腫れを認めたり、触らなくても痛かったり、おしっこのときに痛みを感じたりおちんちんの先から膿が出たりします。抗生物質をのんだり軟膏を塗ったりして治療します。

2.嵌頓包茎

包皮を引っ張って無理におちんちんの頭を出そうとすると、狭い皮膚で締め付けられて、亀頭がひどく腫れてしまうようになります。

3.排尿障害

おしっこをするときに、包皮におしっこがたまってふくらんだり、おしっこが細くしか出なくなったりすることがあります。

4.尿路感染

新生児や乳児では尿路感染の原因になることがあるとされていますが、わが国では非常に少ないです。

 

 

治療

一般的に、子どもの包茎はほとんどが治療を必要としませんが、上記の様な症状を認めた場合等は治療を考慮します。

1.保存的療法

ステロイド軟膏塗布療法

包皮をできるだけ翻転して開口部から細い綿棒を用いてステロイド軟膏を挿入し、狭くなっている包皮に対して包皮にストレッチをかけるように伸展させます。早ければ1ヶ月程度でおしっこの出口(外尿道口)を露出できるようになります。徐々に包皮翻転が可能になり。亀頭を露出できるようになっても、しばらく(約1年)は毎日包皮翻転を行います。1年以上軟膏を塗り続けても、ステロイドの全身に及ぼす影響はないと言われています。

2.手術

包皮は将来大切な部分ですので、手術的治療は極力控えます。手術は真性包茎のみに行われます。しかし乳幼児の皮膚はよく伸びて成長とともに自然に治ることが多いので、手術の時期や適応について定まったものはありません。手術は保存療法を行っても全く外尿道口が見えない場合で、1)繰り返す亀頭包皮炎、尿路感染、2)排尿障害、3) 勃起時に皮膚に絞められて痛みが出る場合などに限って行われます。当科では、背面切開術:Welsh法(包皮の最も締め付けの強い部分3カ所を縦に切開し横に縫合することで包皮を広げて締め付けをなくす)を行います。日本国内においては、年少期に亀頭が常に露出している状態は違和感があり、場合によってはいじめなどの原因になることもあると思われ、当科では環状切開術を行っていません。
宗教上の理由などによる新生児期~幼児期に行う環状切開術(いわゆる’割礼’)は当科では行っていません。

合併症について

出血

ごく少量出血することがあります。退院後持続する出血を認める場合は次回外来を待たずに当科受診してください。

排尿痛

通常数日で自然に軽快します。

感染、発熱

抗生物質の投与を行い対応します。

包皮の浮腫(腫れ)

通常数週間で自然に軽快します。