発達・こころの相談|ささきクリニック|草津駅徒歩5分の小児外科・小児科・外科

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発達・こころの相談

発達・こころの相談|ささきクリニック|草津駅徒歩5分の小児外科・小児科・外科

お子さんの発達やこころの相談について

子どもさんの発達や心のことで相談を希望のかたは、宮嶋の外来日にネットで順番をとって来院してください。初回はなるべく家族だけで来院してください。初診時に話を聞ける時間は限られていますので、相談したい内容やこれまでの経過を紙に書いて御持参ください。(学校や支援機関から紹介状があれば持参ください。)
初診時にはおおまかな困りごとを聞いて、2回目以後に、さらに詳しく状況を聞かせてもらう場合が多いです。時間の制約があることについてはご了解ください。

よくある相談について

子どもの睡眠について

子どもの育ちにとって、睡眠はとても大事です。体の成長・脳の発達・心の安定・免疫アップに大事です。
子どもにはぐっすり眠ってほしいのに、うまく眠れない子どももいます。

  1. 赤ちゃん~幼児期の睡眠の問題
    育児中、寝ぐずり・夜泣きで苦労されているご家族も多いでしょう。多くの親は「成長とともに寝ぐずり・夜泣きもなくなるだろう」と希望を持ってがんばられていると思います。赤ちゃんによっては、夜泣きの程度が強く、親が睡眠不足から心身不調につながるケースもあります。
    夜泣きには昔から樋屋奇応丸が有名ですが、クリニックでは甘麦大棗湯や抑肝散などの漢方薬や、風邪薬の眠気を利用した処方などをしています。
  2. 10代の睡眠の問題
    10代で「眠れない」「朝起きられない」という悩みを持つ子どもは増えています。「寝る1時間(可能なら2時間)前には、スマホ・タブレットの電源を切ろう」と私が話しても、「無理~~」と言う子もいます。個人の力だけでは抗いにくい社会になっているのかもしれません。本人が「眠りたいのに眠れない」と薬を希望する際には、睡眠を促すメラトニン(メラトベル)などを処方しています。

起立性調節障害

小学校高学年~高校生で、朝に起きられない、立っていると気分が悪くなる、立ち眩みがする、頭痛・腹痛がある などの症状が続く場合は、起立性調節障害という自律神経の病気かもしれません。脳や体にいく血液量は自律神経で調整されていますが、思春期は体の変化が大きく、自律神経のバランスが崩れて症状がでやすい時期です。
疑わしい場合は、ご相談ください。

発達凸凹(でこぼこ)さん

発達症・発達障害などということばを目にすることも増えました。
人は毎日、体を動かす・見る・聞く・考える・喋る、など多くの活動をしていますが、これらはすべて「脳というコンピュータ」が働いているおかげです。脳には、いろんな働きのソフトが詰まっていて、それらが複雑に連動して働いて、人は生き続けることができています。
大人が頭に搭載している「脳コンピュータ」は一人一人性能が異なっています。黒柳徹子のように「喋るソフト」が高性能の人もいれば、辻井伸行のように「指を動かすソフト」が高性能の人もいます。
子供は日々成長し、「脳コンピュータ」の性能が向上しています。
子どもの脳がどのように成長するかは ①持って生まれた脳の設計図 と、②環境と経験 の二つの要素で決まります。子供の脳の育ち方も十人十色ですが、いろんな能力が年齢平均のスピードで育つ子もいれば、能力の凸凹の大きな子もいます。
能力の凸凹が大きいために、家庭生活や集団生活で困難が大きい子供を「発達症」「発達障害」と呼んでいます。うーーーん、「発達症」「発達障害」より、「発達凸凹さん」という呼び名の方が合っているように私は思います。

家庭や集団で困難が大きくなる子は、

  • じっとしているのが苦手
  • 考える前に行動してしまって自分や相手がけがをしてしまう
  • 勝ち負けや一番にこだわりが強い
  • 気持ちを言葉で表現するのが苦手で、泣く・暴れる・黙り込む になってしまう
  • 自分の「つもり」と異なると、融通がききにくくカンシャクをおこしてしまう。

など、いろんな凸凹さんがいます。
凸凹さんの凸が伸びるように、凹で損をしないように、応援できる小児科医でありたいです。

注意欠如多動症(ADHD)

  • じっとしているのが苦手
  • 衝動的に行動する
  • 集中を続けるのが苦手

これらの症状が強いために家庭生活や学校生活で苦労が大きいこどもを注意欠如多動症(ADHD)と呼んでいます。
多動・衝動性が目立つタイプ、不注意が目立つタイプ、どちらもあるタイプ と3タイプに分かれます。多動・衝動性型は、クレヨンしんちゃんとジャイアンが合わさったようなこども、不注意型は、のびたくんのようなこどもです。
成長とともに改善しますが、困り感が強い場合は薬という選択もあります。現在日本では、コンサータ・ビバンセ・ストラテラ・インチュニブの4剤が処方可能です。
「うちの子、ADHDかも」と疑われる場合は、下にある「ADHD-RS」(小4以下用と小5以上用があります)を印刷して、記入して診察時に持参ください。また、「児童生徒のためのチェックリスト」を印刷して教師に記入してもらって持参ください。

自閉スペクトラム症

人間は社会的生き物ですから、他者とコミュニケーションをして協力関係を築く力は大事です。こどもの中には、人とのコミュニケーションが苦手で、友達つきあいに苦労の大きい子がいます。
また自分の考え・自分のやり方に強くこだわってしまい、柔軟に考え方を変えるのが苦手な子供がいます。
これらの苦手さがとても強くて、生きづらさの強い人のことを自閉スペクトラム症と呼んでいます。
自閉スペクトラム症の特徴そのものを改善する薬はありませんが、生きづらさから心に強いストレスがかかりイライラしやすいのを緩和する作用のある薬は認可されています。
「うちの子、自閉スペクトラム症かも」と疑われる場合は、下にある「発達問診表」を印刷して記入して診察時に持参ください。また、「児童生徒のためのチェックリスト」を印刷して教師に記入してもらって持参ください。

限局性学習症

こどもの中には、会話をしている分には言葉も豊かで頭の回転も速そうなのに、読み書きをさせると定着が難しい子がいます。また、数字を使わない論理的思考は十分できるのに、計算・算数になると習得が難しいこどもがいます。そういうこどもを今は「限局性学習症」と呼んでいます。困難な内容によって「読み障害」「書き障害」「算数障害」と呼んで、その子に合うやりかたで教育を受けることが勧められています。
俳優のトム・クルーズが読み障害で苦労してきたのは有名です。

チック症

自分の意思とは関係なく体の一部が速く動いたり発声したりするのを繰り返すのをチック症と言います。まばたき・咳払い・首振りなどが子どもでは多いです。症状は波がありますが、10代で消失していく人が多いです。症状が強い時期は薬を処方することもあります。

不登校について

日本全国で不登校の小中学生は約35万人、小学校では1クラスに1人、中学では1クラスに2~3人の割合です。文部科学省も 学校に再び登校するという結果だけを求めず、生徒が主体的に進路を考え、社会的自立を目指せるように支援する という考えに変わってきています。
医療が不登校児にできることはとても限られています。頭痛・腹痛など身体症状がある場合、眠れない場合、イライラが強い場合などは受診をお勧めします。また不登校の背景に発達凸凹があったり、過去の傷つき経験があったりする場合もあります。心配な場合はご相談ください。

愛着障害について

赤ちゃんは自分のことを一番に世話してくれる大人(主としてママ)を「特別な対象」ととらえて、その人を求め、くっつき、安心をもらおうとします。赤ちゃんの心に安心が育ってくるとママから離れて活動する範囲が広がり、不安になるとママのところへ戻ってまた安心をもらいます。この乳幼児期の「特別な対象」との情緒的絆を「愛着」と呼んでいます。
世話をする大人側の心身の状態が良くなかったり、赤ちゃん側が育てにくいこどもであったりした場合、この「愛着」が子どものこころに十分育たず、成長後の人との関わり方や行動のコントロールに悪影響を及ぼすことがわかっています。愛着がうまく育つためには、養育者が余裕を持っていることが大事です。
2023年には「こども家庭庁」が発足し、「こどもがまんなかの社会を実現する」とうたっています。保護者が余裕を持って育児できる社会の実現が、将来の子どもたちの幸せにつながります。当クリニックも育児を応援できるクリニックでありたいです。

トラウマ・傷つきについて

トラウマの概念が医療に入ってきたときには、「生命を脅かされるような恐怖体験に出会った人の後遺症」と考えられていました。今は「トラウマ」の概念が広がり、「いじめ」「大人からの体罰」「大人の心ないことばでの傷つき」などによる子どものこころの傷つきもトラウマとして研究されています。大人からみたら「それぐらいのこと」と思えることでも、こどもは深く傷ついて長期に悪影響を与えている場合もあります。
傷ついたこどもの心をいやす一番は、家族が本人の傷ついた心を受け止めることです。それをしても傷つきが強い場合はご相談ください。

こどものうつ病

大人のうつ病は一般的ですが、子どもにもうつ病はあるのか議論されてきています。
元気がなく、楽しみを持てず、食事や睡眠にも影響があるような場合は、こどものうつ病の可能性もありますので、ご相談ください。

不安が高い子

親と離れるのが不安、先生に怒られないか不安、人前での発表が不安、ともだちに嫌われないかと不安、など子どもはいろんなことを不安に感じます。
一般的には「不安」を感じると対策を立てようとするので「不安」は役に立つ感情ですが、強すぎると生活に支障がでます。そのような場合はご相談ください。

社交不安症

家ではリラックスしているのに、集団や他人がいる場では人の目が怖くてのびのび過ごせない子がいます。程度が強い場合は「社交不安症」と呼んでいます。思春期に発症することが多いです。心配な場合はご相談ください。

強迫症(同じ動作を繰り返す病気)

「手が汚れてる」と何度も何度も手洗いをくりかえす、「忘れ物をしていないか」とチェックを繰り返す など、強い不安に襲われて、同じ動作を何度も繰り返す病気のことを強迫症と言います
大人の強迫症には、薬(SSRI)と認知行動療法(暴露反応妨害法)が勧められていますが、小児ではなかなかやりきるのが難しいのが現状です。家族も症状に巻き込まれて疲弊してしまうときもあります。ご相談ください。

リストカット

リストカットなど自傷をする10代のお子さんが増えています。関東の中学校で実施された無記名調査では、自傷経験者は1割もいたそうです。大人に気付かれず、こっそりリスカしている子どもが増えていると言われています。
こどもがリストカットするのは心が苦しいからです。わが子のリスカに気付いたら、「心がしんどいことがあるんだね。もしも話せるなら話してほしい」と伝えてみてほしいです。まず家族だけでもご相談ください。

成長期の体重減少には注意を

子どもの体重は右上がりが正常です。体重が減るのは疾患の可能性があります。特に思春期の女子で体重が減るのは、神経性やせ症(いわゆる拒食症)の可能性もあります。学校の身体測定での身長体重の結果には注意を払っていただいて、もしも体重減少が見られたらご相談ください。