小児外科・外科|ささきクリニック|草津駅徒歩5分の小児外科・小児科・外科

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小児外科・外科

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小児外科について

小児外科は新生児から15歳までの外科的疾患を対象としている診療科です。消化器、呼吸器、泌尿器、生殖器、胸腹部、頭頚部、体表など、きわめて多岐にわたる臓器の疾患を扱っています。生まれつきの形態異常や生まれた後にかかる病気、外傷などに対して手術治療を行いますが、子どもの手術には成人にはない特殊性があります。「身体が小さい」「あらゆる臓器が発育途中で機能も未熟」「精神的・心理的にも発育途上」「成人とは生理的な反応が異なる」「特有の疾患が多い」「幼稚園や学校生活に配慮した治療が必要」といったことが挙げられます。子どもの手術ではこれらの特殊性を十分に熟知し、考慮したうえで的確に治療を行う必要があります。当院ではご両親とともにお子さんの視点に立ちながら、身体にも心にも優しく、かつ高度な医療提供に努めています。

小児外科の対象となる主な疾患

鼠径(そけい)ヘルニア

ヘルニアとは臓器が本来位置する部位から逸脱した状態をいい、お腹の中にある臓器(小腸、大腸、大網という膜、女児であれば卵巣、卵管)が飛び出してきて、鼠径部(股の少し上)が腫れてくる病気を鼠径ヘルニア(脱腸)といいます。小児外科が扱う疾患で最も頻度が高い疾患です。発生率は1~5%とされています。小児の鼠径ヘルニアのほとんどは外鼠径ヘルニアで、腹膜鞘状突起が鼠径部に残っていることで発症します。腹膜鞘状突起とは、胎生期後半に精巣が腎臓の下あたりから鼠径部に下降して来る時に、腹膜が鼠径部に伸びてできたものです。精巣が陰嚢内に下降した後は、多くの場合、腹膜鞘状突起は自然に閉鎖してしまいますが、何らかの要因によって開存したままの腹膜鞘状突起に、お腹の中の臓器が入り込むことで、鼠径ヘルニアが成立します。右側(51%)にも左(36%)にも出ることがあり、両側(13%)に認めることもあります。片側の鼠径ヘルニアの手術後、反対側に鼠径ヘルニアが出てくる確率は10%程度といわれています。女児でも、子宮から大陰唇に続く円靱帯に沿い、壁側腹膜が内鼠径輪から大陰唇に向かって伸展します。これをNuck管と言いますが、男児の腹膜鞘状突起に相当し、7か月ごろまでには自然閉鎖しますが、閉鎖や退縮・消失が不完全であれば男児と同様に鼠径ヘルニアや水瘤(Nuck管水瘤)を生じます。

鼠径ヘルニア・陰嚢水腫の機序

鼠径ヘルニアの手術

ヘルニアのとおり道には狭い場所があり、飛び出した臓器がこの狭い場所で締め付けられ、飛び出した組織の血流が悪くなることがあり、これをヘルニア嵌頓といいます。一度ヘルニア嵌頓を起こすと脱出した臓器はむくみ、いつもと違って硬い塊が触れて、お腹の中に戻りにくくなります。時間が経過すれば皮膚発赤が出現し局所の疼痛を伴うようになり、嘔吐、腹痛、腹部膨満など腸閉塞症状へと進行します。患児は、最初は痛みのために、泣いたり、不機嫌になったり、そのうち顔色も悪くなりぐったりとします。いつもと違う様子のときは必ず鼠径部の様子を観察するようにしてください。 鼠径ヘルニアについては、前述のように嵌頓の危険性があるため、年齢には関係なく、手術による治療が必要です。

停留精巣

精巣には精子をつくるはたらき(造精機能)と男性ホルモンをつくるはたらきがあります。停留精巣は出生時に発見されることが多く、小児泌尿器疾患の中で最も頻度の高い疾患です。精巣は胎児が母体の子宮の中にいる段階では腎臓の近くに位置しており、成長とともに陰嚢内に下降します。精巣の下降が途中で止まってしまい、精巣が陰嚢内まで降りてこない状態を停留精巣といいます。また、精巣の下降はほぼ正常でも陰嚢の固定が弱く、上方に挙上しやすくなっている状態を移動性精巣といいます。出生時に発見された停留精巣の多くは6か月までに自然に下降する可能性がありますが、1歳を超えるとその可能性は極めて低くなります。したがって、6か月になっても陰嚢内に降りてこない停留精巣は体調や成長をみつつ1歳前後には手術を行うことが望ましいとされます。移動性精巣も自然治癒する可能性がある一方、年齢を重ねても固定が緩い場合は手術が望ましいと思われます。

停留精巣の手術

通常精巣は、陰嚢内にあることで体温より低い状態(約0.5℃低い)に保たれており、正常な精巣発育・精子の形成には、この低い温度が必要とされています。高い温度環境にある停留精巣では精子を作る細胞が少しずつ機能を失い数も減少していきます。この変化は温度が高ければ常に進行していくので、手術で精巣を陰嚢内に固定する必要があります。また、精巣の固定が弱いもしくは異所性に固定されている場合、精巣が捻転する可能性があり、捻転した場合は、一般的に6時間以内に捻転を解除しなければ精巣が壊死に陥り、精巣摘出を要することとなります。 停留精巣は通常の精巣と比較して4~7倍腫瘍が発生しやすいといわれています。停留精巣の手術をすることによって精巣腫瘍の発症率が低下することは証明されていませんが、精巣が陰嚢内にあることで、発症した場合の早期発見が容易になります(精巣が硬くなったり腫大してきたりします)。精巣の萎縮が著しい場合や、腹腔内にある場合などは、精巣を摘除する可能性もあります。精巣の萎縮が激しい場合は正常な機能がほとんど期待できず、発がんの可能性も高いためです。

陰嚢水腫・Nuck管水腫

鼠径ヘルニアと同様に腹膜鞘状突起が鼠径部に残っていることで発症します。腹膜鞘状突起とは、胎生期後半に精巣が腎臓の下あたりから鼠径部に下降して来る時に、腹膜が鼠径部に伸びてできたものです。精巣が陰嚢内に下降した後は、多くの場合、腹膜鞘状突起は自然に閉鎖してしまいますが、何らかの要因によって開存したままの腹膜鞘状突起に、お腹の中の臓器が入り込むことで鼠径ヘルニアになりますが、水が貯まると水腫となります。陰嚢に水がたまることを陰嚢水腫、鼠径部に水がたまることを精索水腫、女児の鼠径部に水がたまることをNuck管水腫といいます。

陰嚢水腫・Nuck管水腫の手術

乳児(1歳未満)の場合は自然に治癒することが多いといわれています。以前は針を刺して水を抜く場合もありましたが、子どもに恐怖を抱かせるうえにすぐに再発することが多いので最近はあまり行いません。 1歳を過ぎると自然治癒がしにくくなります。鼠径へルニアを合併している場合や痛みが強い場合、陰嚢の大きさに変化が見られる場合、本人が腫れを気にするようなら手術が望ましいです。

一般外科について

一般外科は、家庭では対応しきれない外傷や良性の腫瘤、腹部の急性疾患などを扱う診療科です。生活上で生じる切り傷、すり傷、やけど、床ずれなどの外傷、動物・虫の咬み傷や陥入爪といった化膿性疾患、腹部の急性疾患である急性虫垂炎や粉瘤(ふんりゅう)・脂肪腫などの良性腫瘤も治療対象となります。このように一般外科の扱う疾患は幅広く、種類も多岐にわたります。お困りのことがあれば、まずはお気軽にご相談ください。

一般外科でよくみられる症状と疾患

  • けが(切り傷、すり傷、皮膚が裂けた傷、刺し傷、咬み傷)
  • やけど(熱傷)
  • 粉瘤
  • 脂肪腫
  • いぼ
  • 巻き爪・陥入爪
  • 虫垂炎

お子さんだけでなく、ご家族や大人の方も対応しております。 お悩みや困りごとがありましたら、何でもお気軽にご相談ください。